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ミステリー

アガサ・クリスティー 検察側の証人 あらすじ・ネタバレ感想

STAFF
監督:ジュリアン・ジャロルド
脚本:サラ・フェルプス

ジョン・メイヒュー:トビー・ジョーンズ
レナード・ヴォール:ビリー・ハウル
エミリー・フレンチ:キム・キャトラル
ロメイン・ハイルガー:アンドレア・ライズバラ

シリーズ・概要

全2話構成
2016年製作

かんたんなあらすじ

ミステリーの女王アガサ・クリスティー原作の法廷サスペンス。
容姿端麗な青年レナードは仕事に恵まれず、内縁の妻ロメインの収入に頼って貧しい暮らしを送っていたが、大富豪の寡婦フレンチ夫人に見初められひそかに情夫になる。ところが、夫人が何者かに撲殺され、レナードは殺人容疑で起訴されてしまう。レナードを救おうと依頼を受けた弁護士のメイヒューが彼のアリバイを証明しようと奔走するが……。ラストまで結末が読めないドンデン返し連続の傑作法廷サスペンスドラマ。
WOWOWより引用:https://wod.wowow.co.jp/series/49233

予告動画

ネタバレなし感想

私アガサ・クリスティファン歴30年を誇るのですが、これを小2で読みました。当時たぶん面白かったとか言ってたと思うんですけど、「ほんまにわかってたんかいw」とツッコミを入れたくなるような大人の事件……
というか大人になるまで内容を全く忘れていて。改めて今回映像で見るとすごい事件ですね。(かつての私・小2が理解できたのか謎。笑)

事件自体はものすごくシンプルなのですが、かけひきと仕掛けがまた凄い作品です

第一次世界大戦が冒頭からラストまで絡んでくるのですが、それがまた重い。
弁護士のメイヒューはこの事件に真剣に取り組むというか、取り憑かれたようになってしまうのですが、この人も善人ではないです。
むしろ登場人物全員が悪人で、人間の持っている欲深さやどす黒い部分が出ているのがまたリアリティがあって良い。

たしか原作ではレナードとロメイン、むしろ主人公ロメインだった?に焦点が当てられていたような気がするのですが、この作品は終始弁護士のメイヒュー視点
ラストの場面はオリジナルだと思いますが、原作を読み返したくなるのは間違いないです。

ネタバレあり

一話ごとのストーリー

第1話
容姿端麗な青年レナードは仕事に恵まれず、内縁の妻ロメインの収入に頼って貧しい暮らしを送っていた。そんなある日、大富豪の寡婦フレンチ夫人に見初められひそかに情夫になる。ところがある夜、夫人が何者かに撲殺されてしまう。メイドの証言から殺人犯として逮捕されたのはレナードだった。事務弁護士メイヒューの助けを借り無実を証明しようとするレナード。それを証明する唯一の証人は、犯行時刻に一緒に家にいたロメインだったが……。
第2話
大富豪の寡婦フレンチ夫人の殺害容疑で起訴された青年レナードは、検察側に有力な証人が現われたことで、もはや有罪は避けられないと思われた。ところが証人の卑劣でおぞましい陰謀が露見し、事態は急展開を迎える。一躍、時の人になった事務弁護士メイヒューは、富と名声を手に入れ、多忙な日々を送る。そんな中、苦労させてきた妻を伴いフランスのリゾートへバカンスに。しかしメイヒューを待っていたのは衝撃の事実だった。

WOWOWより引用:https://wod.wowow.co.jp/series/49233

ネタバレあり感想

結論から言うと、レナードが犯人でロメインが共犯でした。
裁判で夫を庇っても効果はないので、自分が偽証し夫を陥れようとした悪女を演じて、レナードに同情を集める作戦だったロメイン。
証拠も捏造品。
二人は戦時中に出会い、爆撃の中共に逃げ延びた絆があったんですね。
お金のためなのか愛のためなのか

とにかくこの作品の持ち味は「どんでん返し」だと思うので、今回もそのどんでん返しがうまく組み込まれていましたが最後の一発がまた決まった。

図らずも加担したことになるメイヒューは可哀想だったけど、結局お金もレナードから貰えて(それ目当てだったし)名声も得て(事件のことで人気弁護士に)
でも妻からは息子を殺したと拒絶され、最後は絶望して自殺…
救いがない話になってしまった。

犯人が腹黒いのはもちろんだけど、メイヒューも約束を守らなかったり誠実な人でないことは描かれていて。警官にとった態度とかでもわかる。息子のことも年齢を偽らせて戦争に行かせたようだし、よくいるはっちゃけ系なのかもしれない。因果応報かなとは思うけど、後味は悪いよね。
原作ではここまでメイヒュー視点がなかったし、ある意味新しさも感じた。

というかこの話こんなに暗かったっけ??

舞台や背景とかはものすごく雰囲気に合っていて、この時代だからこそここまで再現できた良作だと思います。やっぱりアガサクリスティ作品、良いです。